「ワンオペ育児」のママに対してパパができること3選

ワンオペ妻は重たいプレッシャーと闘っている

 

親が近くに住んでおらず、パパの帰りが遅い…。

そんなご家庭では、妻による「ワンオペ育児」が繰り広げられています。夫はその状況を分かっているけれど、物理的にしてあげられることが少ない。もどかしい思いを抱きながら、朝出勤するパパも多いのではないでしょうか。

 

筆者も6歳と1歳をワンオペで育てている家庭です。夫は教員なので今流行りのテレワークも叶いません。私が体調を崩したらこの家は終わる、そのプレッシャーと毎日闘っています。平日の朝、パパを見送る時の心細さと、夜に帰ってきた時の気が抜けるような安堵感は、何度経験しても慣れるものではないですね。

 

 

「何をしたらいいか分からない」側もツライ

 

 

もちろん、夫は遊びに出かけているわけではありません。本人にしてみたら「頑張って働いている」「家族のために稼いでいる」という大義名分があります。

ですが、12年の会社員生活を経験した私が思うのは「育児より仕事のほうがずっとラク」。原稿の〆切に追われていた当時を振り返っても、迷わずそう思います。

毎食後、床に這いつくばって子どもの食べこぼしを拾っている時、おむつを替えている途中で逃げられて追い掛け回している時、ぐずりをなだめていたら顔面に頭突きされた時…。「何やってるんだろう私(涙)」と意気消沈します。時間で区切られないから、終わりがないんですよね。子どもは成長していくので、同じ作業をこなしているようで日々のルーティンも少しずつ変わっていきます。

 

一人目の時、夫はてんやわんやな私を見ていてもどうしたらいいか分からなかったそうです。「男性にできることは限られているという現実を突きつけられた」と言っていました。その中でただ悶々と罪悪感にかられていた夫が、正真正銘の父親になるべく考え導き出した3つの「これならできる」をご紹介させてください。

 

できることその1:帰宅して最初の言葉は「ありがとう」

「ただいま」じゃなくて「ありがとう」。これ、毎日つづけていると無意識に口をついて出るようになるそうです。疲れがピークに達している夜、帰ってきた夫に開口一番「ありがとう」と言われると、私は今日も一日頑張ったんだな…と少しだけ報われた気分になります。

 

正直、そこまで心がこもってなくてもいいんです。そのねぎらいの言葉にはちゃんと言霊が宿っています。家の中を明るくするのも暗くするのも、口にする言葉がカギの一つなのかもしれません。

 

できることその2:育児の公共サービスや外注に寛容になる

 

とくに専業主婦のご家庭は、よりパパとママの役割分担が明確なのではないでしょうか。すると妻は「家事と子育てをまっとうする」という大きな責任感を持って生活しているはずです。でも、女性は生理や更年期など、常に女性特有のホルモンバランスに振り回されている生き物。朝、いつものように起きられないこともあります。それなのに、追われるタスクの量は変わらない。

今日は少し休みたい、なんだか辛いな…。そう弱音を吐いたとき、ファミリーサポートセンターや家事代行、ベビーシッターなど、「お金を出して人の助けを借りる」という選択肢をパパから提案してくれると、私は少し肩の荷が下りる感覚があります。正直、自分からは責任放棄しているようで言いにくいのです。

 

経済事情を考えて、実際には頼まないかもしれません。でも、本当に困った時には頼める存在がある。そう思うだけで、励みになることは確かです。妻の頑張りを間近で見ている男性こそ、ぜひ育児サービスに対して寛容になってあげてくださいね。

 

できることその3:さりげなくそっとスキンシップ

 

ママとパパの肌同士が触れ合うと、脳内には「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。これは通称「幸せホルモン」と呼ばれ、ストレスを和らげるともいわれているんです。

産後間もないママにとっては、母乳の分泌を促したり、赤ちゃんを愛する気持ちが高まったりと、産後うつの予防にもひと役。パパにとっては、免疫力を上げたり、人間関係や仕事効率を改善したり、子育てに前向きになれたりという効果も期待できます。

 

本来なら、マッサージやハグなどでスキンシップをとりたいところですが、「そんな気分じゃない」と一喝されたらへこみますよね。ちなみに夫は、私がカリカリしていると「オキシトシ~ン!」と言いながら近寄ってきます。ただベタベタしたいんじゃなくて、オキシトシン補給という科学的根拠のあるストレス解消法を実践したいんだとばかりに。

もちろん、さりげなく横に並んで座っているだけでも効果がありますよ。近くにパートナーの体温を感じながら過ごすことで、ママがワンオペ育児の間に感じていた疲れや不安をそっと和らげてくれるはずです。

 

お気づきになった方もいらっしゃるでしょう。

これらの3つはどれも「家事」でも「育児」でもないんです。というのも、巷では「女性の家事時間は男性の7倍」といわれています。だから、できる家事を多少増やしたところで焼け石に水。喜ばれるのは難しいと夫は察したそうです。でも、妻の一番の理解者として安らぎをもたらす働きならできるかもしれない。時に自分を追い詰めがちな妻に対して、気持ちの逃げ場を作るのが自分の役割なんじゃないかと話していました。

 

家の中という閉鎖的な場所で行われている育児。

外からはその大変さは計り知れないものがあります。父親としてできることを考えてやってくれていても、ワンオペ妻にとっては物理的に少々物足りないかもしれません。でも思いやろうと努力する姿勢や気持ちは十分伝わってきます。そう、ママが一番嬉しいのは「共感」してくれること。一緒に育児をしているんだ、一緒に大変な時期を乗り越えようとしてくれているんだ。そう感じられると、パパに対して感謝の気持ちも芽生えますし、何より子どもをよりいっそう愛おしく思えてくるのです。

一筋縄ではいかない悩みにも焦らずに向き合いながら、十人十色のイクメンを目指しましょう!

 

 

【Writer】

KCO

ライター・エディター・漢方スタイリスト。出版社での7年の雑誌編集を経て、化粧品ブランドのコピーライターに転身。出産を機に独立し、現在はメーカーの広告やWEBメディア、雑誌などで執筆する。一男一女の母。

  • 2021-01-24
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